私の紋章術に対する考え方は、
仮説1の謎の間借り忍えくせりおんさんとは異なるものであり、それを以下の図に示す。ちなみにTSFとは紋章力のことである。(詳細は
紋章術考察1を参照のこと)
つまり私の考えでは、マナの祝福は「精神力--→紋章力」の変換に必須のものなのである。これが無ければ、紋章術はおろか紋章力すら生じさせる事は出来ない。よって、マナの祝福を持たないアシュトンに紋章力を発する事は出来ず、紋章を用いる事も出来ないということになる。だとすれば紋章剣は、紋章術とは異なる経路で発動する"紋章を用いた技"と考えなければならない。
ところで、ここで思い出して貰いたいのがオペラのカレイドスコープである。これは紋章銃と呼ばれる事もあるらしいが、連邦の誇る紋章科学の産物である。マナの祝福を持たないオペラが景気よく乱射している事からも判るが、マナの祝福が無くても作動する武器だ。この紋章剣と紋章銃、共通点がありはしないだろうか。
また、もう一つ思い出して欲しいのが練金である。練金とはマナの祝福が必要な紋章術関連の技術である様に見えながら、何故かMP消費無しで物質構造を変化させる技である。私はこの練金を、術者のマナの祝福を別の存在(妖精など?)に貸与して物質変換する技術だと考えている。(詳細は
紋章術考察1を参照のこと)
以上の二点から、「マナの祝福は他者(又はアイテム)から借りられるものなのではないか?」という推測が出来る。つまり、アシュトンはマナの祝福の代替えをするアイテムを所持している可能性がある、ということだ。また、オペラではそれがカレイドスコープに組み込まれているということなのだろう。
ここでアスペクト版攻略本の用語解説、テトラジェネスの説明を見ると、
「(前略)種族として見た場合、外見は地球人に酷似しているが、額に第三の目を持つ。
そのためか紋章力との親和能力が高く、紋章術や紋章兵器の使用を得意とする」
とある。これはテトラジェネスが、マナの祝福を用いる、またはマナの祝福を借りての「精神力--→紋章力」の変換効率の高い事を表わしていると考えられる。(目が多いとどうして親和能力が高いのかは謎であるが)つまり、マナの祝福を借りる為には、借りる側の素質も重要であるということだ。恐らく紋章剣やカレイドスコープが使えるか否か、という素養はこの親和力に依存するものなのだろう。オペラやアシュトンの場合はそれが高かったのだと考えられる。
参考として、アイテム所持による特殊能力発揮の例として、SO1stのフィアが用いる飛翔剣を挙げることが出来る。飛翔剣とは一対の短剣を自在に操って敵を攻撃する技であり、その動きは物理法則に反している部分もある。そしてこの飛翔剣は、アストラルリングという装飾品が無くては発動しない技なのである。(ゲーム中ではフィアの固定アイテムとなっている)この飛翔剣こそアシュトンの用いる紋章剣と類似の技だと考えることが出来るだろう。 フィアの場合はアストラルリングにマナの祝福を代替する能力が備わっているのだと推測できるが、よって同様にアシュトンも、何らかのアイテムを所持している可能性が高い。
ちなみに、アシュトンが紋章剣を使用する際に、紋章力を氷、風、幻影などに具現化する為の紋章をどこから得ているのかについても考えてみる。フィアの場合は呪紋(技名?)によってルーンから呪紋を召喚出来るとも考えられるが、アシュトンの場合にはゲーム中に「自らに紋章を刻んでいる」という情報が無い為、全く不明だ。そこで解決策として、紋章を刻んだアイテムを所持しているのではないかと仮定する。PAやピックポケット状況から、アシュトンはアクセサリーを大量に所持しているらしいので、信憑性はあるだろう。
しかしそうなると、紋章術と紋章剣には大きな違いが感じられなくなってしまう。紋章術師達の、マナの祝福を有し、紋章を刻んでいるが故の特殊性が薄れてしまうのである。けれども2ndをプレイした限りでは、紋章剣は明らかにマイナーなのだ。何故、紋章剣は紋章術を凌駕出来ないのだろうか。
考えられるのは、マナの祝福を他者から借りた場合の「精神力--→紋章力」変換効率が、自前のマナの祝福による変換に比べて格段に低い、ということである。これで紋章術師の優位性の確保は出来るだろう。しかし問題なのが、何故紋章術師達が「アイテムに刻んだ紋章」ではなくわざわざ「身体に刻んだ紋章」を召喚するのか、ということである。 どこから召喚しようが紋章は紋章という感じがするのだが・・・。
ここで再び
紋章術考察1をふまえ、SO1stの場合の紋章術発動経路を振り返ってみる。私の考えでは、同じ呪紋(レイ、メテオスォームなど)でもエクスペルとロークに伝わる口上は異なる。それは紋章を何処から召喚するのかが異なるからである。そして呪紋と紋章というものは古くから伝わっているものであり、新たに開発されるものではない。(例外としてラクールホープなどの紋章武器があるが、これは紋章科学という未開惑星にとってはやはり未だマイナーな技術なので除外する。)
何が言いたいのかというと、
1:「身体に刻んだ紋章を用いる紋章術」に必要な「呪紋と紋章」
2:「アイテムに刻んだ紋章を用いる紋章剣」に必要な「呪紋と紋章」
どちらがより多く発見され体系化されているのか? といった場合には紋章術に軍配が上がるのだろうということである。だから紋章剣はマイナーであり、紋章術がメジャーなのだろう。
解り難くなってしまったが、これらの推測から、私の考える紋章剣についてまとめる。
紋章剣とは、恐らくマナの祝福を持たず紋章術を行使できない者達が、アイテムを駆使することによって紋章の力を借りるという高度な技である。しかしそれ故に、特殊な素養と技術が必要とされる。そして、紋章術師がわざわざ紋章剣を体得することは有り得ないだろう。その特徴は以下の通り。
・マナの祝福代替アイテムが必須である。
・マナの祝福代替アイテムを用いる素養が必須である。
・技ごとに必要な紋章を刻んだアイテムが必須である。
・同じMPで得られる効果は紋章術より小さい。(その分単体への攻撃に集約される)
・紋章術の様に体系化されてはおらず、技の数も紋章術には遠く及ばない。
・マイナーな流派である。
・SO1stフィアの飛翔剣と類似の技である。
以上が、私の考える紋章剣である。でも、マナの祝福を持った者が紋章剣を使うのか、については上手くフォロー出来ていない気もする・・・(汗)