クロードとレナのカップリングは、言わば宇宙人同士の結婚ということですから当然の謎だと思います。
さて、このレナとクロードのEDは大体以下の様なものである。
レナ 「ねぇ、クロード。今度は、いつ帰ってこられるの?」
クロード「そうだな・・・セクターβでの軍用演習だから、
半年くらいかかるかな?」
レナ 「そうなんだ・・・。気をつけてね」
クロード「ごめんな。いつもいつも一人にしてしまって」
レナ 「ううん、いいのよ。
だって、それがあなたのお仕事なんですもの。
それに、大丈夫よ。もう私は一人じゃないから」
クロード「えっ?」
レナ 「もう、鈍いんだから。
半年後には、お父さんになるっていうのに・・・」
生物学的(?)に見ると地球人とネーデ人の間に子供が出来る、交配が可能であるということは、この双方の配偶子によって一個体を形成するのに足りる遺伝情報がもたらされるということである。その大前提として、ネーデ人が地球人と同じく DNA(デオキシリボ核酸)を遺伝物質としていなければならないが、これは既にゲーム中で明言されているので問題無い。
このEDではレナが「半年後には・・・」と言っているが、これは彼女が自分の妊娠を自覚している事を表している。地球人女性が自分の妊娠に気付くのは大体三ヶ月目だと言われているが、ネーデ人女性の妊娠期間を地球人女性のそれと同じであると仮定した場合、レナの台詞から彼女もやはり妊娠三ヶ月〜四ヶ月という「自覚出来る」時期であると考えられるのだ。これは非常に重要な事である。子供が出来たことを「自覚出来る」というのが、双方の配偶子が融合、つまり受精卵を形成して細胞分裂を開始するという、発生のプロセスを順調に続けているという事の証明であるからだ。
通常、あまりに異種の生物同士の配偶子は受精卵とはならない。例えばネズミの卵子にヒトの精子を受精させようとしてもそれは発生を開始しない(多分そうだったと記憶する)。そういう意味で、まずネーデ人と地球人は交配の最初の難関をクリアしたということになるのである。
ちなみに我々の実際に知る、異種生物間の交配の可能な例としては馬とロバ(ロバと馬)がある。また極端な話としては人間とチンパンジー(あくまで聞いた話。また倫理的な問題として実証は出来ないらしい)というものもある様だ。この人間とチンパンジーではそのDNA塩基配列の殆ど(うろ覚えだが99.5%以上)が同じであるという。人間とチンパンジーでそれほどまでにゲノムが似通っている事を考えれば、直感的なものとして地球人とネーデ人のゲノムもまた殆ど同じであると考えられるのではないだろうか。多分、彼等のゲノムは黄色人種と白色人種程度にしか変わらないのではないだろうか。無論これも直感的なものであるのだが。
・・・ここでもう少し直感的でなく考えてみることにする。
生物の形状というものは、重力等の影響による誘導物質の濃度勾配に応じた遺伝子発現の連鎖によって定められていくものだ。人間に腹側ventralと背側dorsoがあり、頭anteriorとその反対側posteriorがあり、或いは指が五本ある(これは誘導物質の分布に従って丁度指の間の部分の細胞が自己死を起こす事で形成される)のは全てそうした連鎖の産物なのである。遺伝子は連鎖的に反応を起こす。つまり遺伝子には階層性(ヒエラルキィ)があり、それによって上位の遺伝子が下位の遺伝子発現をコントロールすることで、比較的少ない遺伝子数で生体を構築する事が可能になっている。だから、これらの遺伝子が一、二狂うだけで、例えば手の形が歪んだりする。よって冷静に考えてみて、同じ様な大きさ・顔・四肢といった身体的特徴を持つ、地球人とネーデ人のゲノムがいかに似通っているかは想像がつくであろう。(ちなみにこの事は、対テトラジェネスに関しても十分に言えることであるだろう。ただしフェルプールに関してはその起源が猫であるという事や、血液の組成が地球人と全く違うのが判明していることから、判断が難しい。ただし個人的には可能でもおかしくない気がする)
この地球人とネーデ人のゲノムが殆ど同じでもおかしくないという事と、最初に述べた発生の初期段階が進行している事とを考え合わせれば、地球人とネーデ人の間に比較的まとも(?)な子供が生まれるということは十分考えられる事なのである。
ただし、彼等の子供に身体的・知能的な障害が全く起こらないのかという点や、この地球人とネーデ人のハーフに生殖能力があるのか、つまりラバの様に一代限りで終わらないものなのか?といった点についてはなお疑問が残るかもしれない。