何故、ジエ暗殺という目的があったにもかかわらず過去の仲間達がタイムゲートを通ることが出来たのか?と、このことに疑問を持った方は提起者であるスタシャンマニアさん以外にも、結構多いのではないだろうか。
確かにゲーム序盤にラティクス達が現在から過去へと転移する時、「タイムゲートの守護者」はラティクス達がゲートを使用する目的を聞いた上に、転移にあたって武器や通信機の持ち込みを禁止した。これはラティクス達の行為が、過去を必要以上に変えてしまわない為の手段であったのだろうが、少なくとも彼等がタイムゲートを通ることが出来たのは、その目的がイリアの言うところの「歴史上からみて間違っていない行為」であるからだっただろう。
この一度目のタイムゲート使用の状況を考えると、ジエ暗殺という剣呑な目的の為にタイムゲートを使用するなど、とても許されないことであろう、と思われるわけである。
ところが、実際にはそれが許された。
しかし、我々がこの部分に疑問を持つのは、「守護者」の亊を一種の神かなにかの様に考えてしまっているからではないか。守護者はあくまで何らかの目的を与えられ、遂行しているだけの存在なのではないだろうか。
守護者の役割を考え直してみるところに、この謎を解く鍵があるだろう。
ところで、このゲーム中でタイムゲートは、過去への行き来のみに使用されている。未来に向けては使われていない。そして、私の個人的な考えでは、このタイムゲートは過去に向かってのみ使われるのではないかと思っている。すなわち、タイムゲートはそれの存在する時間以前にのみ転移できるのではないか、ということである。
話は戻って、守護者は一体何を守護しているのかということだが、これはタイムゲート使用者が過去に対して行う行為が、タイムゲートの存在する時空間を壊す可能性から守っている、と考えることが出来ないだろうか。復元力(という考え方を聞いたことがある)を越えてタイムゲートの存在する「現在」を壊しかねない行為が無い様に、守護者はその使用者を選ぶのである。つまり、「歴史上から見て間違っていない」ということは過去を改変しない、ということにほかならないのだ。
以上の様に、守護者によって守護されるものは過去とその上に成立する現在であり、これから作られていく未来に関しては守護者の範疇外であると考えれば、どんな目的であっても過去から一時的に仲間を連れ出すということが許可されてしまうというのは、それ程おかしな話ではないだろう。シウス達を元の時代に返す場合には連れ出した時間と同時刻に戻せば空白の時間は生まれないし、あとは彼等が未来に行くことによって得られる情報がどれだけ過去を変える可能性があるのか、ということのみであるからだ。この部分をクリアできたからこそ、過去の仲間達は未来へとやって来ることが出来たのだろう。