ジエとは、惑星国家ファーゲットの事実上統治者である。その彼を暗殺するにあたり、地球連邦はロニキス・イリアをはじめとしてローク人のラティクスやミリー、そしてここはシナリオによって変化するが、シウス・ヨシュア等、過去のローク人をファーゲットに送り込んでいる。これに、どうしてラティクス達が連邦のもめ事に引っ張り出されなければならないのか、と疑問を持った方はいないであろうか?
常識的に考えれば暗殺、などという事は専門の部隊にでも行わせればいいのである。それを、既に連邦と関わりを持ちすぎているとされるラティクスやミリーはともかく、立ち入り禁止区域に指定していた惑星ストリームのタイムゲート使用を許可し、過去のローク人まで使うとは一体どの様な理由によるものなのだろうか。特に、過去のローク人に関しては未開惑星保護条約にも引っ掛かるであろう。(歴史云々は守護者の許可があるとしても)大体、そもそも暗殺任務にロニキスが指名されるという事自体が妙といえば妙な話なのである。どう考えても彼は暗殺に向いているとは思えない。
そこで、何故彼等が作戦スターダストの遂行者に選ばれたのかを考えてみることにする。
この場合の暗殺、というのはファーゲットのレジスタンスが連邦に依頼したものだ。ではどうしてレジスタンスは、ある意味被害者である連邦に依頼せざるを得なかったのか。答えは明快である。それだけの力を持つ者がいなかったからだ。
力、というのはジエ本人を倒すだけでなくその周囲を守る者達を倒す力である。そしてそれは魔物だ。ファーゲットに出没する魔物がロークのものと同じ性質を持っているという確証は無いが、外見・名称等から推定するに、同じと考えて問題は無いだろう。
魔物の性質、といって思い当たるのはゲーム序盤のあの台詞・・・『フェイザーがききませんよ』・・・これである。勿論、それはフェルウォームにしか当てはまらない性質なのかもしれないが、あえてその可能性は無視することにする。フェイザーというと、連邦の近代兵器の代表であろう。それが通じないとなると、レジスタンスが連邦に暗殺を依頼した理由も理解出来るのではないだろうか。
連邦の方は地球に宣戦布告してきたファーゲットの存在は厄介なものであったので、レジスタンスの依頼を快く受けたものの、近代兵器の通用しない相手と互角以上に戦える少数精鋭の調達に困っただろう。そこに、紋章術や技を習得したロニキス達が過去のロークから戻ってきたというわけである。加えて彼等は一連の事件に無関係ではないのだ。
以上の様な事から、彼等にジエ暗殺が任されたのは当然であると考えられるであろう。